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2011年10月19日 (水)

<海さち山さち>東京都小笠原村 島レモン つやつや緑 果汁十分(中日新聞)

<海さち山さち>東京都小笠原村 島レモン つやつや緑 果汁十分(中日新聞)

 東京港から南に約千キロの東京都小笠原村父島。赤土状の畑には、鮮やかな緑色のまま完熟したレモンが陽光に輝いていた。

 果樹農家の和田実さん(64)が、一個もいで渡してくれた。輸入物の両端がとがったレモンに比べ、二回りは大きく丸い。薄い皮ごとかじると、グレープフルーツのように酸味が柔らかく、ジューシーだ。

 和田さんがレモン栽培を始めたのは、都小笠原亜熱帯農業センターに勤めていた十二年前から。現在は百本ほどを育てている。レモンは風に弱い。枝にとげが無数にあり、揺れると実に刺さり傷つけてしまう。高さ二メートル程度の低木仕立てにした畑で毎日、根気よくとげを切り取っている。

 収穫期は八~十月。木一本に実が二百個ほどなるが、質も見た目も良いのは百個程度という。収穫の目安は肌。「つるつる滑らかになると、果汁も十分で皮が薄くなる」

 十一月まで待つと黄色くなるが「それだと酸味が抜けすぎる。やっぱり緑色が島レモン。グラスに入れた時、本当にさわやかに見えるんです」

 苗木も生産している和田さん宅には、毎年五十~百本ほどの注文が入る。剪定(せんてい)が手軽で、二年もすれば実がなる島レモンは、小笠原の果物の主力パッションフルーツに次ぐ特産化も期待されている。

 ところが、四、五年ほど前から、国の天然記念物オガサワラオオコウモリが、かんきつ類の葉や花を求めて飛来するようになった。

 和田さんの畑にも、葉が食べ尽くされた木が何本もあった。「フルーツバット」の異名を持つオオコウモリは、小笠原固有種のタコノキなどを食べてきたが、「より甘いものにひかれるんでしょう」と和田さん。

 畑をネットで囲い、コウモリが光を嫌う性質を利用して、月明かりでも反射するテープを張るなど試行錯誤を繰り返している。「絡まってけがをしたらいけないので、加減が難しい」

 小笠原諸島が世界遺産に登録された今、貴重な動物との共存が、農家により重みをもってのしかかっている。

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