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2011年7月25日 (月)

都心で楽しむ小笠原の植物 「夢の島熱帯植物館」

都心で楽しむ小笠原の植物 「夢の島熱帯植物館」 (東京新聞)

 6月に、世界自然遺産への登録が決まった小笠原諸島(東京都小笠原村)は、世界的に珍しい固有の生態系で知られる。豊かな自然の一端を、東京都心から1000キロ離れた現地へ行かなくても楽しめるのが、「夢の島熱帯植物館」(同江東区)だ。同館植栽担当の横平裕美さんに、小笠原の貴重な植物を紹介してもらった。 (宮本直子)

 三つのガラスのドームでできた大温室に足を踏み入れると、ヤシなどが生い茂る熱帯の世界が広がっていた。

 「夏場は暑いので暖房を入れず、窓も開ける」と横平さん。夏以外は、二二度前後に保たれるよう温度管理されている。温室の暖房や館内の冷暖房に必要なエネルギーは、全て隣接する新江東清掃工場のごみ焼却余熱で賄われる。

 横平さんは小笠原の特徴を「一度も大陸とつながったことがない海洋島で、植物も独自の進化を遂げてきた」と説明。小笠原の固有種は、三十五種が一番奥のドームに集められている。

 まず目に入ったのはタコノキ。「何本も気根(きこん)を広げるさまが、タコの足のように見えるのが名前の由来」。気根は、地上の茎から出た根で、空気中の水分を吸収することができる。雌雄異株なのも特徴。雌株は、花が咲き終わるとマツカサのような実を付ける。

 小笠原村の村花ムニンヒメツバキは初夏に乳白色の花を咲かせる。「ムニン」が名前の頭に付く植物が多いのは、小笠原諸島が江戸時代、「無人島(むにんじま)」などと呼ばれたことによるという。

 展示されている固有種の中で、十七種が絶滅危惧種。うち三種類を紹介してもらった。

 大型シダのリュウビンタイモドキは、塊状の根茎から葉が出ているのが特徴だ。オオハマギキョウは五、六年かけて成長し、一生で一度だけ花を咲かせて枯れてしまう。「前回咲いたのは二〇〇八年。新たな花が咲くまでには、あと一、二年かかりそう」と横平さん。常緑の低木ムニンツツジは白い花を咲かせる。

 横平さんは「大きさや育ち方など、現地とは違うところもあるが、現地へ行かなくても固有種が見られるのが魅力です」と話す。

 都内で小笠原の固有種が展示されているのは、ほかに東京大の小石川植物園(文京区)、神代植物公園(調布市)。小石川植物園は、ムニンツツジの苗を育て、現地に植え戻す活動に取り組んでいる。同園によると、一九八〇年代には現地の野生株が一株にまで減り、絶滅の危機にひんしていた。活動の結果、現在では約四十株が育つまでになっている。

 名古屋市の東山動植物園の温室にもオガサワラビロウ、マルハチなど四種の固有種が展示されている。オガサワラビロウは緑色の房状の実を付けている。マルハチは、葉の落ちた跡が「八」を逆さまにした模様になっていてユニークだ。

 夢の島熱帯植物館は八月二十八日まで、小笠原諸島の世界遺産登録を記念したパネル展示を開催している。問い合わせは同館=電03(3522)0281=へ。

 <小笠原諸島> 東京の南約1000キロの太平洋上にあり、父島や母島など大小約30の島々からなる。年間平均気温が約23度(父島)の亜熱帯地域。交通手段は定期船のみで、東京・竹芝桟橋から25時間半かかる。

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